7月1日。まだ陽が昇りきらない朝の5時・・・。
本業の番組での音響効果のほうが近年まれにみる忙しさのため、殆ど貫徹状態で現地へと向かった。「どうして、こうまでしてやるのか?」と思ったが、毎年山笠の音ロケを行うとき、“追い山”しか収録していなかったので、「今年こそ全ての行事を録音しておきたい!」という『恐怖の社長命令』が下されたからにはやらないワケにはいかない。
また、運良く(運悪く?)ホームページなる企画まで始まっていたので、どうせやるならコーナーを作ろうというまたまた『恐怖の社長命令』が下されたのだ!!まるでノストラダムスの大予言の一説みたいだ・・。
T辻祈祷Uの音を録るため冷泉公園付近に移動して、狙いを定めるべく川端通り商店街付近を歩き回る。T辻祈祷Uなんて言われてもうちの人間は全く知らないというし、福岡に住んでいるからといって山笠を熟知している輩はそんなにいるもんじゃない。とりあえず若者衆たちの後を追いかける。
5時30分の商店街はさすがに閑散としていた。人影がまばらのアーケードをしばし、ぶらつく。
視線を脇にやると何だか時刻表みたいなモノを発見。地下鉄の「それ」かなあと思ったら、山笠の山の時刻表だった。さすがに気合いの入れ方が違うよなあ等と感心してしまう。そこへ雪駄で歩いて来る人がいたので早速、DATをまわしてみる。
100mほど離れてはいたが、ヘッドホンを通しても目の前を歩いているように聞こえた。ちょうどリバーブ(エコー)がかかったような感じで音がとれた。それを何テイクか録って移動。
山の担ぎ手の人たちが集会を開いていたので、2車線の道路を挟んで集会にマイクを向け収録。多少、自転車のブレーキの音を拾ったりしたため、実際に使えるかどうかわからないが、T嵐の前の静けさUという雰囲気は収録できたのではないかと思う。
その後ふたたび商店街に戻り、お払いの準備をしているT流れUを見つけたので、その付近の音を録りながらその瞬間を待つ。待機の間は、商店街の中の雑感などをポイントを変えながら録っていた。
おそらく、この待機をしている間に電柱などに笹を取り付けるT辻祈祷Uが行われていたのではないかと思う。まいったなあ・・。
お払いが始まりそうだったので、録音ポイントを固定して、収録を始める。この時は8:30を過ぎていて、次々と商店のシャッターが開けられ始め、シャッターの音をなるべく押さえようとするのに必死で、どういう風なお払いなのかというところまで気が回らなかった。
テープを止めるまで、およそ20分強(だったと記憶している)同じ場所を動かず、ただひたすら立ちつくすしかなかった。
その後、櫛田神社に場所を移して、境内の音を録ることから再開した。
まずは本殿から20mほど離れた状態で、賽銭箱に照準を絞る感覚で狙いながら収録する。この日は初日と言うこともあってか、雪駄を履いた関係者が参拝に来ていたので、何度か場所を変えながら音を録っていった。しかし、TV局の中継車が来ていて、そのエンジン音が結構気になった。中継車のエンジン音に背を向けるような感じで、神社の表門の雑感を録ったり、本殿の裏側にまわって中で行われているお払いの太鼓の音などを録ったりした。少し離れた位置で背を向けた感じで録ったので、エンジンの音は気にならなかった。
ふと気がつくとカメラを持ってきていない!
ヤバイなあと思ったがアフターカーニバル(後の祭り)である。タイトルの写真はそれっぽいモノを使っています(当然、弊社の撮影した写真ですが)。
出だしからいきなりつまずいてしまった・・。 |