効果音を創ろう
題目1「鳥の羽ばたき」
チャレンジャー紹介
 記念すべき第1回の『効果音を創ろう』に挑戦してくれるのは、我が社の若きデスクタシケン。
 当サイトの「Audio Drama Making」でおなじみの彼ですネ!タシケンは、昭和49年生まれの25歳。音響効果歴5年のキャリアです。一応、プロの効果マンですから余裕ですね。
タシケン「なに言ってんすかああ〜、余裕じゃないっすよお〜。効果業務の主流はドキュメンタリー番組が多いから、普段はあまり生音で効果音を創る機会なんてないっすよお。」
 なるほど・・・さて、彼は、どうやって創って行くのでしょうか?
眠そうな武田氏
眠そうなタシケン氏
分析
きまくりあがっている武田氏
きまくりあがっているタシケン氏
 では、実際にやってみる前にこの「鳥の羽ばたき」というものが、どんなものなのかちょっと思い浮かべてみましょう。
 そう、みなさんが想像しているTバタバタバタ・・Uという音のやつですが・・まあ、どんなことにでも言えることですが、なにかを始める前にそのモチベーションを高めておく事は当然重要な事ですよね。方法は様々ですが、最も手っ取り早いのは実際にマネをしてみることです。
 おっと〜、タシケン君も早速始めていますね。
 両手を後ろにやって・・首を前につきだし・・そ〜うです、口をとがらせて・・う〜ん、いい感じだ!膝をまげて尻を後ろに突き出すように腰を落としてみましょう。さぁ!みなさん、思いっきり両手をばたつかせてみてください。
「うおお〜!キてる、キてる〜!!」
 おお!!素晴らしい!いかがですか?みなさんのモチベーションも思いっきり高まったと思いますよ!(高まるかい!!)
生音道具
ビューティーなハンカチ
ビューティーなハンカチ
 色々な道具を使って効果音を作り出すことをT生音Uと呼んでいます。
 たとえば、貝殻を互いにこすりあわせて蛙の声を出したり、ざるの中に小豆や大豆・米等をいれて揺することで波の音を出したりすることもそう呼びます。
 今回の「鳥の羽ばたき」も道具を使って作り出す生音なのです。
 さて、タシケンはおもむろに饐えた匂いのするジーンズのポケットからよれよれのTハンカチUを取り出しました。
タシケン「これでいけますよ。」
 なにやら余裕ありげな笑みをうかべるタシケン。しかし本当に大丈夫なんでしょうか?折角だからその辺にころがっているT傘UとTレコードUも使ってみようということになりました。
録音機材
今回の録音機材
今回の録音機材
 いよいよ録音を始めようと思いますが、タシケンが今回用意したのはMDウォークマンとステレオマイクです。今や誰でも持っているごくありふれた機材ですね。彼は出張の時に必ずこれらの機材を携帯していきます。普段はお気に入りのシングライクトーキングを聴いているようですが、これなら珍しい音を見つけた時にいつでも何処でもすぐに録音出来ますから便利です。マイクが無いという方はこの際思い切って購入しましょう。近所の家電屋さんに置いてあると思います。高価である必要はありません。5000円くらいから10000円ってとこでしょうか。ちなみに写真のは、6000円。
録音
部屋のモジュレーションをチェックする筆者
部屋のモジュレーションをチェックする筆者
 いよいよ録音にはいりますが、その前にちょっと確認しておきたいことがあります。
 マイクを通してヘッドフォンから何か物音はしていませんか?部屋の中は一見静かなようでも意外と色々な音がしているものです。
 車の通過音などの外の騒音や部屋にあるエアコンなどの音が聞こえませんか?もし聞こえるなら、録音する時に邪魔なので取り除かなくてはなりません。エアコンは暑かろうが寒かろうが当然切ってください。そして、窓の雨戸を閉め、おまけにカーテンも閉めましょう。こうすることでかなりの騒音を遮断することができます。それでも音がするなら、辺りが一番静かになる時間帯を選ぶしかありません。深夜1時から2時といったところでしょうか。
 スタジオだったらとか指向性の強いマイクだったらとかありますけど、この連載ではあえてふれません。
 さぁ、時刻は丑三つ時です。ようやく車の通りも少なくなり、家の周りが静かになりました。時々通過する救急車や暴走族の音に注意しながらいよいよ録音開始です!
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